【朝日新聞社に再質問書を送付しました】
2008年7月8日
朝日新聞社
代表取締役社長 秋山耿太郎 様 
 〒100-8698
郵便事業株式会社 銀座支店
大手町分室 私書箱2346号
全国犯罪被害者の会(あすの会)
代表幹事 岡  村   勲

【再質問】

貴社から6月30日付で回答書が送られてきましたが、6月25日付の当会からの質問に正面から答えていないなど不満な点が多くあります。
そこで、再度質問をいたしますので、貴社の明確な回答をお願いします。


  1. 「永世死刑執行人、死に神の意味を明らかにしてください。」という当会の質問に全く答えておられません。 質問はこの用語使用に至る経過ではなくて、用語の意味です。
    言論をもって業とされる貴社は、用語の使用については確たる意味、定義に基づいてこの用語を使用されたものと思います。この言葉に被害者は最も傷つけられたのですから、貴社の明確な回答をお願いします。


  2. 「法務大臣の死刑執行の数がどうして問題になるのでしょうか」という当会の質問にも全く答えておられません。そればかりか貴回答書において「就任から1年足らずで13人の死刑が執行されました」との記載があり、13人につき死刑が執行されたことが問題であるかのような記載がなされています。

    死刑判決を受けた死刑囚に対して6月以内に執行を命じることは法律で定められた法務大臣の職務です。
    法務大臣が13人について執行の命令を下したことにいかなる問題があるのでしょうか。13人が問題なら何人なら問題がないとお考えなのでしょうか。

    そもそも、凶悪犯罪を犯す人間が増え死刑判決が増えれば、死刑を執行される死刑囚が増えるのは当たり前でないのでしょうか。
    それとも死刑を執行されない死刑囚の数が増え続ければいいとお考えなのでしょうか。 この点について貴社の明確な解答を求めます。


  3. 貴回答書では(死刑の)「執行にあたっては慎重のうえにも慎重な対応を求めてきています」とありますが、これはいかなる意味でしょうか。13人の執行について、法相のどこが慎重さを欠いていたのか、慎重にするためにはどうすべきであったのか、慎重の内容をお示しください。

    死刑判決が確定し、執行することに何らの問題がないケースでも、できるだけ執行してはならないという趣旨でしょうか。貴回答書にある「朝日新聞社は死刑廃止の立場はとっていません。」とあることと矛盾はないのでしょうか。
    この趣旨を明確にお示しください。


  4. 鳩山大臣就任以来、死刑が執行された死刑囚13人が殺害した被害者は30人に上ります。貴回答書には「朝日新聞社はこれまで犯罪被害者の皆様が置かれている状況を重視し、その報道に力を注いできました。」とあります。

    死刑囚のなかには、幼い子4人を殺害して遺体を切断し、焼き、遺骨を遺族に送りつけるなどした宮崎勤死刑囚も含まれています。宮崎勤死刑囚の死刑執行に関する報道記事では、被害者遺族の思いに配慮した貴社の記事はほとんど見受けられず、逆に執行に抗議する弁護士や学者の意見を数多く紹介するなど、「犯罪被害者の皆様が置かれている状況を重視」しているとは到底思えません。

また、「皆様のお気持ちに思いが至らなかった」とのご回答にも、納得できません。遺族の悲しみ、怒りはいつまでも癒されることはありません。

殺害犯人と同じ空気を吸っていると思うだけでも耐えられず、被害者の払う税金が死刑囚が生きていくための費用に使われていると考えるだけでも怒りがこみあげてくるのです。

事件発生当時は遺族に対する過剰とも言える取材や報道をしながら、死刑確定後は死刑囚のことだけを考え、被害者の存在を忘れるのは、なぜでしょうか。この点についてどうお考えか、明確な回答をお願いいたします。

以上の質問についてのご回答は、1週間以内にお願いいたします。
以 上  
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