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全国犯罪被害者の会■マーク 基本計画の見直し    (ニューズレターVOL.36号 2009.11.16)

基本計画の見直しを巡って 〜文科省は基本計画を実施してほしい

弁護士・幹事 高橋 正人(顧問弁護団)

平成17年12月、犯罪被害者等基本計画が策定された。

これは、今まで、事件の最大の当事者でありながら被害者を刑事司法手続きの蚊帳の外に置いてきたことへの強い反省から生まれたものだ。

基本計画は、その年の4月から始まった内閣府の犯罪被害者等基本計画検討会(全11回)での長い真剣な議論を経てできあがったもので、あすの会代表幹事の岡村弁護士も委員として毎回出席し、顧問弁護団に所属する弁護士も全回、随行として関与した。さらに、各会議の前には最低2回、顧問弁護団が岡村綜合法律事務所に集まって弁護団会議を開き、岡村弁護士が会議で発言する意見書を、毎回6時間以上かけて討論し、起案した。

 こうして作られたのが基本計画で、そこには被害者の視点にたった258もの施策が定められている。もちろんその根底には「犯罪被害者等はすべてその尊厳が尊重され、尊厳にふさわしい処遇を保障される権利がある」と定めた犯罪被害者等基本法が背景にある。

 基本計画検討会が始まる前、内閣府の担当者であった神村参事官が、
  1. 被害者のためになる施策はすべて取り入れる
  2. ただし公序良俗に反するものは取り入れない
  3. 会議はすべて公開する
  4. 省庁への根回しを一切しない
という当時では考えられないような、極めて刺激的で進歩的な4つの方針を立てられた。

そのため、有識者によるお墨付きの機関に過ぎない形だけの「審議会」とは異なり、議論は毎回、予定の審議時間(2時間半)を3時間も上回る大変に熱のこもったものとなった。当時の担当大臣であった自民党の村田代議士が「私がこの法案(基本法)を読んだとき、これはもう相当なことを書いてある、役所は覚悟してかからなければいけないなと思った次第です。

システムをちょっと縄延びしてという考え方ではなく、もう一度原点に立ってやはり考えなければいけない」と強調されるほどであった。 258ある施策のうち、既に実施されている重要な施策がある。

例えば、被害者が直接裁判官や被告人に生の声を伝えていくための被害者参加制度、刑事の手続きの中で損害賠償を言い渡す損害賠償命令制度、支給額の最高額を自賠責保険並みに拡大した犯給法の大改正、経済的に苦しい被害者でも国の費用で弁護士による支援をもらえる国選被害者参加弁護士制度、少年審判事件についても被害者の傍聴を許す制度、受刑者を仮釈放するにあたって被害者から事前に意見聴取しなければならないとする制度などだ。

どれもこれも、被害者にとって、長年の念願であった施策ばかりである。これだけでも大変な前進であることは言うまでもない。 だが他方、残念なことだが、258の施策全体からみれば、実現した施策は、1割にも満たない。その多くは、未だ眠ったままだ。その最たるものが、文科省が行わなければならない施策である。

たとえば文科省は、
  1. 学校における犯罪被害者等の人権問題も含めた人権教育の推進に努めなければならない(基本計画V・第5・1(3)・ア)、
  2. 犯罪被害者等である児童生徒及びその保護者のため、関係機関との連携し、学校内においても連携し、また、情報の提供や相談体制の充実を図っていかなければならない(同V・第4・1・(15)・(18))、
  3. 犯罪被害者等である児童生徒が不登校になったり、問題を抱えるに至った場合、継続的な支援や対応を促進しなければならない(同V・第4・1・(35)(36))、
  4. 文科省において、児童生徒が犯罪被害に遭ったとき、学校の教職員が適格に対応できるよう、教職員の指導力の向上に努めなければならない(同V・第5・(15)・ア)、
とあるが、どれも今までと対応が変わっておらず、前進が見られないというのが実情だ。
たとえば中学校の模擬裁判一つとっても、えん罪防止のための加害者の人権をテーマにすることは良くあるが、被害者参加裁判などをやって被害者の人権の大切さを訴えたものは、ほとんど聞いたことがない。

加害者の人権ばかりに目を向けてきた今までの教育のバランスの悪さを是正することから、文科省は、まずは始めたらどうだろか。

 今年は、基本計画の5年後見直しの時期だ。ぜひともこれらの施策のうち、対応の十分ではないものを甦生させて欲しい。そのためであれば、あすの会は喜んで協力したい。
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