TOPICS (ニューズ・レター)


12月1日からいよいよスタート
被害者参加制度・損害賠償命令制度・国選被害者参加弁護士制度とは何か

 被害者参加制度   弁護士 甲斐朝美(2008.11.11)

本年12月1日より、刑事裁判において「被害者参加制度」という新しい制度が始まります。

犯罪被害者は、従来の刑事裁判では、どんな事件であっても、心情を訴える僅かな時間が与えられる以外には、一般の人達に交じり、ただ傍聴席から裁判の様子を見守ることしかできませんでした。

しかし、この新しい制度が始まると、一部の犯罪の刑事裁判において、犯罪被害者自身も検察官と話し合いながら「被害者参加人」として裁判に関わっていくことができるようになるのです。

 ではどのような犯罪の刑事裁判であれば、犯罪被害者は「被害者参加人」として裁判に参加できるのでしょうか。対象となる刑事裁判は、わざと(故意に)行った犯罪行為により人を死亡(怪我)させた事件、性犯罪事件、自動車運転手が不適切な運転により事故を起こし、人を死亡(怪我)させた事件などの裁判です。

ただし、これらの事件の被害者であれば、誰でも自動的に「被害者参加人」として刑事裁判に参加できるのではなく、担当検察官への参加申出と裁判所からの参加許可が必要です。

 次に、「被害者参加人」として裁判に参加することが許された場合、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

 第一に、「被害者参加人」は、裁判所から裁判が開かれる日時の連絡をもらい、原則、裁判に出席することができます。そして、裁判に出席した時には、従来のように傍聴席に座るの、ではなく、法廷の内側(バーの内側)に座ることができます。

 第二に、「被害者参加人」は、担当検察官に対して、裁判のやり方などについて、意見を言うことができます。そして、これに対し検察官は必要に応じて、何故そのようなやり方をするのか、またはやらないのか等について説明をしなければなりません。

 第三に、裁判所が犯罪被害者にも質問をさせるべきだと判断した時には、「被害者参加人」自身が裁判の場で、証人や被告人に対して質問をすることができます。

ただし証人に対しては、犯罪行為そのものに関しての質問はできず、例えば証人が被告人の反省や被害者の家族の心情等について、誤った証言をした場合、その誤りを明らかにする質問ができるだけです。

他方、被告人に対しては、事件に関係するのであれば、基本的にどのような質問でもできます。

 第四に、「被害者参加人」は、裁判所に対し、被告人にどのような刑を科すべきか等について意見を言うことができます。今までにも犯罪被害者に、被害者の心情を言う機会が与えられることもありましたが、「被害者参加人」は心情だけではなく、例えば「無期懲役に処するべき」というような意見も言えます。
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