TOPICS (ニューズ・レター)


会員の声
 DVによる悲劇を乗り越えて   川本 弥生(2009.6.1)
 ご無沙汰いたしております。
 6年前、夫からのDVの末、最愛の息子を殺害された事件の会員です。

 私は、8年前に、夫の暴力に耐えかねて、10歳の娘を連れて離婚しました。当時、一番暴力を受けていた13歳の息子は、「パパを1人にしたら可愛そう。僕だけでも残れば、立ち直ってくれるかもしれない」と、父親の元に残りました。

しかし、15歳まで努力を続けた息子の健気な思いは届かず、その父親の手によって、命を絶たれてしまいました。  息子は、全身全霊をもって、私と妹を守ってくれたのに、私は息子を守ってやれなかった……。

6年間、私は、自責の念と、寄せては返す悲しみと戦いました。  DVは、どの家庭にも起こりうる現象で、ほんの小さな行き違いから、我が子を亡くしてしまうような悲しい犯罪に繋がる場合があります。私の反省は、そこに至る前に気付けば手段があったのに、知らなかったし、できなかったということです。

DVで悩んでいるお母さんは、「子どもを守るために勇気を出して欲しい。私のようなつらい思いを、もう誰もして欲しくない」と心から願い、今、そんな呼びかけを始めています。

 以前、岡村代表が被害者参加制度について、国会の法務委員会で参考人になられたときに、私のことを紹介されたとうかがいました。そのことが、被害者参加制度成立への一助になったとしたら、それは亡くなった息子の力だったのだと思い、「息子の死が無駄ではなかった」と思うことができ、また、一歩階段を上がることができます。

 残った娘は、事件後、不登校となりましたが、小さな子どもが好きだった兄の影響で保育士を目指し、今春から短大へ通い始めました。

しかし、生活保護世帯では奨学金を受けられず、現在は、娘の保護を打ち切り、奨学金を受けて通わせています。4月から生活は苦しくなりましたが、パートながらも、この不況時に仕事があることに感謝し、希望を持って乗り切りたいと思っています。
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