TOPICS (ニューズ・レター)


会員の声
 被害者参加制度を利用して   澤田 美代子(2009.11.16)
 社会に出て三年目、24歳の次男は銀行員として仕事も覚えこれからという平成20年11月10日の夜、面識のない19歳の少年に故意に軽トラックで後から撥ね飛ばされ殺害されてしまいました。

父親への不満が募り「人を殺せば刑務所に入れる」との幼稚な発想からおよんだ凶行でした。 私たちは告別式の準備、事件の対応に追われて詳細を知ったのは一週間過ぎた頃でした。

息子が高校から始めた少林寺拳法部の顧問の先生が心配され、弁護士を紹介してくださいました。

少年審判での傍聴と審判廷で意見陳述ができることを知り、次男の死が信じられない状況の中でその準備に取り掛かりました。 この悔しさ、悲しみ、息子の無念、それを自分の声と言葉で、犯人のいる審判廷で訴える事ができるのか不安になりながら、分厚い供述調書を10日足らずで必死に読みました。

 私たちの怒り、苦しみを全く感じる様子がなく反省のない少年とその父親には絶望を感じましたが、裁判長の「刑事処分相当」の判決に唯一救われる思いでした。
 逆送で刑事裁判が開かれることになり、弁護士、検事から被害者参加制度の詳しい説明を受けました。

法廷で検察官のそばに座り自分達が直接、被告人に質問や論告求刑ができることを知りました。
打合せを重ねる度に「やれることはすべてやって息子の無念を少しでも晴らしてやらなければ」という思いが募り、弁護士お二方の指導を受けながら、判決まで無我夢中で準備を続けました。

 被告は裁判所が危惧したとおり法廷で暴れ退廷し出廷拒否を繰り返しましたが、奇跡的に10分間だけ夫と私が質問することができました。
それによって「責任能力あり」の証明をできたのです。

家族5人の意見陳述の際に被告が不在だったこと、論告求刑で検察官が先に求刑までしたことは残念ですし判決結果に納得できません。

しかし、この制度を利用したことで気持ちを訴えられ、息子を思い続けてくれる方々に心情が伝わり息子の供養ができたと思っています。

制度ができる前の被害者は怒り苦しみを抱いたまま置き去りにされたのですから、この制度を作るために活動された方々特にあすの会の活動に感謝すると供に、この制度が更に充実し被害者が少しでも救われることを願っています。
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