TOPICS (ニューズ・レター)


犯罪被害者等給付金支給法の改正を中心とする
警察の被害者対策の現状

警察庁犯罪被害者対策室長 安田 貴彦 (2001.4.25)

警察は、最も多くの犯罪被害者と最も早い段階で接し、しかも極めて濃密に関わりを持つ公的機閑です。警察は、従来から犯罪被害給付制度を運用してきたほか、平成8年には「被害者対策要綱」を制定して、全国警察を挙げて各部門にわたって被害者の方々の支援に取り組んで参りました。

 しかし、地下鉄サリン事件等の無差別殺傷事件の発生等を契機に、被害者のおかれた悲惨な状況が広く認識されるに伴い、犯罪被害給付制度の拡充を始めとして、被害者に対して一層の支援を求める社会的機運が急速に高まって参りました。

警察庁では、こうした世論の高まりを受けて、従来運用面での改善を中心に取り組んできた被害者対策を更に充実させるため、法制度の整備を図るべく、一昨年から本格的な調査・研究を開始しました。昨年7月には有識者等による「犯罪被害者支援に関する検討会」を発足させ、同年12月、同検討会から今後の警察の被害者支援の在り方に関して提言をいただきました。これらを受け、警察庁では、犯詐被害給付制度の拡充とともに、被害者に対する援助の措置に関する規定の整備を盛り込んだ「犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律案」を策定し、本年2月9日に国会に上程され、4月6日に原案どおり可決・成立をみたところです。

 同法の概要については、以下のとおりです(一部は今後政令等で規定の整備が行われます)。なお、1,2については本年7月1日から、3,4については来年4月1日から施行されます。

1.法律の題名及び目的の改正
 法律の題名を「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」に改めるとともに、これまでの趣旨規定を目的規定に改めました。

2.犯詐被害給付制度の拡充
  1. 1ケ月以上の加療及び14日以上の入院を要する傷病を負った被害者に対して、3ケ月間を限度として医療費の自己負担部分に相当する額を支給する(重傷病給付金の創設)とともに、遺族給付金についても同等の被害者負担額を合わせて支給することとしました。

  2. 障害給付金の支給対象となる障害の範囲を従来の4級までを14級まで拡大しました。

  3. 遺族給付金及び障害給付金の額を、最低額については物価上昇分、最高額については賃金上昇分を勘案してそれぞれ引き上げます。なお、これらの制度改正により、給付金の支給総額としては3倍程度に、支給対象被害者は7倍強に拡大していくことが見込まれています。


3.警察本部長等の援助措置に関する規定の新設
 警察本部長等は犯罪被害の早期軽減に資するため、情報提供、助言及び指導、職員の派遣等の援助を行うように努めなければならないこととしました。

4.民間団体の活動の促進に関する規定の新設
 公安委員会が直接的支援や相談等犯罪被害等の早期の軽減に資するための事業を行うことができる民間団体を指定することにより、民間団体による被害者支援、とりわ「危機介入」といわれる早期の直接的な支援活動の促進を図ることとしました。

 警察としては、今回の法改正で新たに盛り込まれた事項を積極的かつ適正に運用していくことはもちろん、民間の被害者援助団体の皆様とも一層連携を深め、また、ストーカー、家庭内暴力、児童虐待等の個別の被害類型に的確に対応した支援策を充実させるなど、今後とも組織を挙げて更にきめ細かな被害者支援に全力で取り組んでいくこととしています。
「検討会」の提言や法改正の概要等を含む警察の被害者支援については、
警察庁のホームページhttp://www.npa.go.jp/higaisya/index2.htmをご参照下さい。

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