おかしいと思いませんか  (ニューズ・レター)


加害者の声が聞こえない傍聴席
(2002.10.15)

犯罪被害者は、被害を受けた当事者であり、加害者がどういう刑を受けるかについても最も利害関係を持つ者です。ところが裁判所では一般傍聴人と同じように座らされます。
外国人を含む強盗団に押し入られて主婦が殺害され、お嬢さんが傷害を受けるという事件がありました。その後、犯人は逮捕されて裁判が始まりました。被告人は、自分の都合の悪いところへくると声が小さくなり、傍聴していた遺族には聞き取れません。

どうして犯罪が行われたのか、どうして自分の家が狙われたのか、どういう風に被害者が襲われたのか、当然遺族や被害者はその詳細を知りたいのです。そこで傍聴席から 「聞こえないんですよ」と言い、続けてもう1度 「何を言っているか、聞こえないんですよ」と言いました。

裁判官は怒って「退廷させますよ」と言うので、遺族は、自ら退廷したそうです。遺族には、審理を邪魔する意図は全くありません。なぜ裁判所は退廷させるという前に、「もっと大きな声を出しなさい」と注意するか、マイクの音量を上げて遺族に聞こえるようにしないのでしょうか。

お嬢さんが通り魔に殺害された遺族が居られます。やはり傍聴席では加害者の声が聞こえなかったそうです。そこで休憩時間に 「聞こえないからマイクの音量を上げてください」と裁判所に頼んだそうです。
ところが裁判所は「傍聴人に聞かせるために裁判をしているのではない」と言って取り合わなかったそうです。まるで、「お上のご意向に逆らうな」という、時代劇にそっくりです。これが司法制度改革推進本部のいう国民の為の司法、国民に信頼される司法と言えるでしょうか。
おかしいと思いませんか?
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