おかしいと思いませんか  (ニューズ・レター)


喪服による裁判延期
(2004.5.25)

北陸自動車道を乗用車で運行していた人が、
後ろから走ってきたスピード違反、居眠り運転のトラックに追突されて死亡し、
運転手は業務上過失致死罪で起訴されました。
第2回の公判廷で、証人となった被害者の三男が「人1人を殺して謝罪に来ないのは許せない。是非実刑にしてください」と述べると、裁判長は「人殺しとはなんだ。故意に殺したのではない。事故なんだ。日本語は正しく使いなさい。実刑にするかどうかは私が決めることで、あなたがいう資格はない」といって怒り、30分以上も説教をしました。

第3回公判は被告人の妻の証人尋問が予定されており、被害者の三男はいつものように喪服で黒いネクタイを締め、他の遺族・傍聴人4人は黒っぽいけれども喪服とは全く違う服装で出席しました。開廷するやいなや裁判長は、「検察官、弁護人合議室へ」と言って消えていきました。

20分くらい後に帰って来ると、裁判長は三男に「その服装は喪服ですね」と確認すると、傍聴人を次々に立たせて、「喪服ではないか」と質問しました。「ビジネススーツです。これで毎日会社へ行っています」「ネクタイは灰色です」「街着です。これで買い物に行っています」「普通の私服です」と全員喪服を否定しましたが、裁判長は「私には喪服に見える。

今日の公判は延期します」といって理由も告げずに閉廷しました。遺族らは、第4回の公判にも同じ服装で出席しました。すると今度はその服装でかまわないということで審理が進められました。 黒い服装では被告人に心理的圧迫を与えるおそれがある、ということだったようですが、被告人や弁護人から異議があったわけでなく、第1回、第2回の公判では同じ服装だったのになにも言われませんでした。
こんな思いつきで行動する独善的な裁判官が今でもいるのです。 おかしいと思いませんか。
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