おかしいと思いませんか  (ニューズ・レター)


事情聴取と取材の違い
(2001.8.27)

雑誌や新聞から取材を受けると、できあがった原稿が送られてきて内容の間違いを点検します。発行されると、「お陰様でこのようにできあがりました。ご協力ありがとうございました。」といって現物を送ってきます。
 事件発生後、悲しみと苦しみで打ちひしがれている犯罪被害者は、何回も警察や検察庁に呼び出されて事情を聞かれ、実況検分に立ち会わされ、裁判が始まると証人として呼び出されて、フラッシュバックに傷つけられながら供述しなければなりません。その結果、検察官は起訴状や冒頭陳述書、論告要旨を作成し、裁判官は判決を書き上げるのです。
ところがどうでしょう。できあがったこれらの書類は、加害者には渡されますが、被害者には送ってきません。

刑事裁判は被害者のためにするのではなく、公の秩序維持のためにするのだというのが、最高裁の立場です。そうだとすると、被害者は自分のために捜査や裁判に協力したのではなく、もっぱら公のために協力したことになります。
それならお菓子でも添えて感謝の意を表しながら、被害者にこれらの書類を送ってくるべきではないでしょうか。
こんな被害者を無視したやり方、おかしいと思いませんか?

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