「活動報告」 ◆ 意見提言 ◆
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全国犯罪被害者の会■マーク 決 議
『第3回全国犯罪被害者の会シンポジウム』大会決議
--- 2001.11.18 ---
1.捜査情報と捜査記録の開示 2.刑事司法への参加
3.附帯私訴 4.当面の運用
5.公費弁護士代理人 6.精神障害者の犯罪
7.長期未解決事件  
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 1.捜査情報と捜査記録の開示
 犯罪被害者は、事件の当事者として加害者と犯罪事実の詳細について特別の関心を持つことは当然であり、犯罪被害者がそれらについての「知る権利」を有していることは、今日、世界的に広く認められているところである。
 この知る権利は、捜査公判を通じて保障されるべきでもので、2000年5月の法制定によって公判記録の閲覧騰写が認められたことは前進ではある。しかし、公判記録は捜査記録の一部に過ぎず、法廷に現れない捜査記録の中には、犯罪被害者の知りたい情報が多く含まれている。

 さらに、加害者死亡事件、精神障害者の不起訴事件、長期未解決事件などにおいては、起訴すれば当然閲覧謄写できる捜査記録も見ることができないという不公平を生じている。
 そこで、捜査、公判に支障をきたし、または悪用される恐れがある場合を除き、犯罪被害者に、捜査情報の提供を受け、捜査記録の閲覧謄写する権利を認めることを要望する。


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 2. 刑事司法への参加
 わが国においては、「刑事司法は公秩序維持のためにあるのであって、犯罪被害者のためにあるのではない」として、事件の当事者であり最大の利害関係者である犯罪被害者を刑事司法手続きから排除している。これは被害者感情を無視するばかりでなく、事案の真相究明をも遠ざからせ、犯罪被害者の刑事司法に対する不信を増大させている。

 刑事司法は、公益のためだけでなく犯罪被害者のためにも存在するという原則を確立するとともに、刑事司法手続きのなかで、犯罪被害者に一定の地位を認め、これに参加する権利を認めることを要望する。
 当会は、司法改革審議会に対して、上記要望を伝えてきたのであるが、同審議会が従来の制度を踏襲していることは、甚だ遺憾なことといわざるを得ない。


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 3. 附帯私訴
 現行司法制度は、刑事と民事の手続を峻別しており、刑事訴訟手続のなかで犯罪被害者の民事的救済を図ることができない。諸外国においては、附帯私訴や弁償命令制度などによって刑事手続きの中で犯罪被害者の損害回復を図っている例が多い。わが国においても、かつて存在していた附帯私訴制度を復活し、犯罪被害者の損害回復を容易にすることを要望する。

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 4. 当面の運用
 犯罪被害者が司法制度に参加するための法改正を強く望むものであるが、現行法下でも運用で改善できるものもある。次の5項目について、速やかに改善するよう要望する。
  1. 捜査を担当する検察官および公判を担当する検察官は、犯罪被害者らから直接事情を聴取すること
  2. 検察官は、不起訴の処分および求刑の前に、犯罪被害者の意見を聴取すること
  3. 起訴状・冒頭陳述書・証拠等関係カード・論告要旨・弁論要旨・判決書・上訴申立書・同趣意書を犯罪被害者に送達すること
  4. 公判期日指定については、犯罪被害者の意見を事前に聴取すること
  5. 法廷のバーの中に犯罪被害者席を設けること


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 5. 公費弁護士代理人
 刑事被告人には国選弁護人が付けられているが、司法制度に不慣れな犯罪被害者に対しても公的費用による弁護士の援助が必要である。法律扶助協会による扶助が始まったとはいえ、まだ不十分であり、公費により弁護士代理人を付する制度の創設を要望する。


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 6. 精神障害者の犯罪
 精神障害者の犯罪については、不起訴処分や無罪判決がなされると、加害者に対する処遇は、司法の手を離れて、すべて医療機関に任されている。これは医療関係者の負担も大きくするのみならず、司法が関与しないことについて国民の不満、不安が高まっている。そこで、精神障害者の犯罪についても、諸外国の例にみるように、
  1. 司法が関与すること
  2. 特別の国立の司法医療施設を設置すること、
  3. 施設出所後も、投薬その他について司法、医療が協力して長期的に観察関与すること
  4. 処遇の決定、処遇の状況について犯罪被害者に情報を提供することを要望する。

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 7. 長期未解決事件
 犯罪について長期未解決事件が増大している。このため犯罪被害者の不安は大きく、日常生活に支障を来している。捜査当局においては、加害者の検挙に全力を尽くすととともに、犯罪被害者の不安を除去するべく努めるよう要望する。

以上のとおり決議する
2001年11月18日       
全国犯罪被害者の会(あすの会)


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