「活動報告」 ◆ 意見提言 ◆
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全国犯罪被害者の会■マーク 決 議
『第6回全国犯罪被害者の会シンポジウム』大会決議
--- 2006.1.22 ---
1.犯罪被害者等基本計画を早期かつ実効的に実現すること
2.裁判所による犯罪被害者等基本法の実現
3.少年審判における被害者参加の実現
4.事件報道における被害者の意思の尊重
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 1.犯罪被害者等基本計画を早期かつ実効的に実現すること
 2005年12月、犯罪被害者等基本法に基づく基本計画が閣議決定された。基本計画は、基本法にのっとって、総合的かつ長期的に講ずべき犯罪被害者のための施策が盛り込まれたものであり、歓迎すべきものである。特に、刑事司法は犯罪被害者のためにも存在しているという認識が盛り込まれたことは画期的なことであり、すべての刑事司法の場面において、犯罪被害者のための司法が実現されることを強く要望する。
 この画期的な基本法そして基本計画を、真に犯罪被害者の視点に立って、早期かつ実効的に実施することを求める。


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 2.裁判所による犯罪被害者等基本法の実現
 犯罪被害者等基本法4条により、国は犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し、実施する責務を有しているところ、裁判所も国の機関であるから、当然この責務を負うものである。したがって、裁判所も同法8条にかかわらず犯罪被害者等基本法に基づき犯罪被害者のための施策を総合的に策定し実施することを強く希望する。


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 3.少年審判における被害者参加の実現
 少年審判は非公開とされており、そのためごく例外的なケースを除き、審判に出席できないのが現状である。しかし、審判に出席して、適正な事実認定をしてもらいたいという被害者の要求はきわめて強い。加害少年が適正な事実認定を受け適切な処遇を受けることは、被害者が犯罪から立ち直るための不可欠の前提である。

 ところが、現在の審判は加害少年の更生に対する協力者のみで構成されており、その結果適正な事実認定が行われているか極めて疑問である。  刑事司法は犯罪被害者等のためにもあるのであって、事件の当事者である被害者が関与しないで行われる手続は到底適正とはいえない。このことは少年保護事件においても何ら変わるところはない。

 そこで、被害者が少年審判に出席し、加害少年に質問したり、意見陳述したりする権利を保障し具体化することを求める。

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 4.事件報道における被害者の意思の尊重
 犯罪被害者は、犯罪によって甚大な被害を受けるだけでなく、しばしばメディアによる過熱取材や報道によって深刻な二次被害を受ける。

 基本計画の策定過程においては、被害者の意思に基づいて実名発表か否かを決めるべきと主張したが、マスコミの反対もあり、警察がプライバシーの保護や公益性等の事情を総合的に勘案して個別具体的な案件毎に適切な発表を行うものとされた。

 しかしながら、実名発表は加熱取材やプライバシーの侵害を伴うものであるから、警察はその発表にあたっては、被害者の意思を最大限尊重するよう強く要望する。

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