平成17年3月7日
法務大臣 南 野 知 惠 子 様
全国犯罪被害者の会(あすの会)
代表幹事 岡 村 勲
人権擁護法案についての要望
犯罪被害者等は、報道機関の過剰取材による生活妨害、報道によるプライバシー侵害、名誉毀損など、大きな二次被害を受けております。
肉体的精神的に打ちひしがれた状態にある犯罪被害者等は、司法的救済を求める気力も余裕もなく、報道被害に対して泣き寝入りせざるを得ない状態にあります。
当会は、設立以来、報道被害の実態と法規制の必要性を各方面に訴えてまいりました。報道被害に対する救済手続を盛り込んだ人権擁護法案が第154回国会に提出されて、被害救済が容易になることを喜んでいたのですが、廃案になって残念でなりません。
今国会に再び人権擁護法案が提出されるようですが、報道機関は、報道被害はマスコミが自主的に規制すべき問題であるとして、特別救済手続の削除を主張しております。マスコミも報道被害を気にするようにはなりましたが、未だ十分な自主規制は行われていません。
そもそも人間の作った組織においては、自己に不利益な規制を自ら課することは至難の業で、上位に法規制があって、はじめて自主規制が行われることになります。人権擁護法から特別救済手続が削除されると、自主規制も行われないことになるでしょう。
犯罪被害者等を報道被害から守るために、是非とも特別救済手続を盛り込んだ人権擁護法を成立させて頂きたく、要望する次第でございます。