TOPICS(ニューズ・レター)


少年事件の情報開示について
 会員 土師 守 (2004.10.5)

2004年8月11日、私と妻は、法務省保護局の方から、加害男性の仮退院後の経過及びその時点における彼の身体的精神的状態等について説明を受けました。

2003年5月以来、加害男性が仮退院直後の2004年3月19日までに、私たちは関東医療少年院及び関東地方更生保護委員会の方から計5回の説明を受けましたが、その説明時には、仮退院後そして保護観察終了後も経過を説明して欲しいという要望をしており、今回の説明は、私たちのその要望に答えたものでした。

犯罪被害者遺族が事件の情報を得るということは、成人の事件においてもまだまだ不充分ですが、少年事件においては、2000年11月に少年法が一部改正されて、若干は改善されたとはいえ、非常に困難なことです。私たちの場合も、加害少年の審判には一切関わることができず、調書等の情報を得るため、加害者側代理人とも交渉し、さらには民事訴訟もおこしましたが、それでも情報を得ることはできませんでした。

2001年10月からは、出院情報も知らされることになりましたが、少年事件には適用されませんでした。 2002年2月頃、加害男性の仮退院の噂がマスコミを賑わせはじめました。
しかし私たちには全くそのような情報は知らされず、これは非常に問題だと思いました。

代理人の井関弁護士とも相談の上、今後につなげるためにも真正面から情報開示を求めていこうと決め、2002年4月、法務省に対し上申書を提出し、あわせて週刊誌上に手記を発表しました。その後、正式には回答がありませんでしたが、その年の7月には加害男性の収容継続が決定されました。

2003年、7回忌にあわせ、初めて取材を受けることにしましたが、数社は上申書のことを扱い、また法務省に対しても取材をしました。
結局それまでの行動が実を結んだのだと思いますが、私の取材が報道される6日前に、急遽法務省関係者、関東医療少年院関係者と面会し、説明、さらには上申書に対する回答を得ました。


その後の説明を通じ、出院情報、帰住先情報を仮退院当日に知らせるということになり、2004年3月10日、仮退院当日に連絡を受けました。

私たちは今後も説明を継続して欲しいと要望していますが、法務省側が被害者遺族に対して説明をしているという事実を積み重ねることにより、少年事件における情報開示の制度化につながればと思っています。

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