TOPICS(ニューズ・レター)


「支援のための連携に関する検討会」報告
  (2007.11.1)
本村 洋
 平成18年7月から始まりました「支援のための連携に関する検討会」は、本年8月27日の第10回検討会をもちまして最終取りまとめ(案)の作成を完了し、終了致しました。ここでは最終取りまとめ(案)の概要を紹介致します。

 この検討会での最大の課題は「どの関係機関・団体等を起点としても、必要な情報提供受け、かつ途切れない支援を受けることができるようにする」ということでした。

 日本には各自治体が管轄する福祉施設、民間支援団体、病院や警察、弁護士会など犯罪被害者を支援できる機関は多数存在しますが、各機関の連携が弱く、各機関で被害者に支援できることが、被害者にも、そして被害者支援に携わる方々にも明確になっていませんでした。

そのため被害者は支援を求めてもたらい回しにされ、支援を求めるために何度も被害状況の説明をしなければなりませんでした。

 この現状を改善するため、都道府県や市町村レベルの各自治体に「犯罪被害者ハンドブック」を備えることとしました。

このハンドブックには、
  1. 被害者支援に携わる者の心構え、
  2. 被害者へ提供すべき情報、
  3. 各関係機関・団体が提供する支援内容など
を明記し、被害者支援のガイド的な役割を担い、全国の被害者支援内容の向上および均質化を図ります。

 また支援を求めるとき、被害状況の重複説明による負荷を可能な限り軽減するため「犯罪被害申告票(仮)」を作成することと致しました。

この申告票は、罪名や被害状況、求める支援内容など主な項目が列記された用紙で、被害者はその項目にチェックし、相談窓口に提出すれば、おおよその被害状況が把握でき適切な支援機関を紹介してもらえるというものです。

紹介された後、その支援機関で被害者は落ち着いて詳細な被害状況などを相談できるような体制を目指します。

 本検討会は一旦終了致しましたが、限られた機関の検討であり、議論が尽くせていない部分が多くあります。

各機関にわたる被害者支援の連携体制確立はすぐに構築できるものではありませんが、一歩ずつ確実に前進するように見守って行きたいと思います。

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