TOPICS(ニューズ・レター)


会員の声
 宮崎での人形劇公演   坂口真弓(2008.4.4)

 昨年12月1日に宮崎で27回目の人形劇公演をして来ました。今回は「犯罪被害者週間」キャンペーンとして公演したのですが主催の(社)宮崎犯罪被害者センターが「尊い生命(いのち)」−未来へ続く生命のこえ−というテーマで一行詩を募りました。

県内の小中高生や一般からの応募が5343編あり、その優秀作品の表彰式もありました。こういった取り組みはすごく有意義なものだと思います。

一行詩を書いてもらうことで被害者問題と向き合うことができ、考えてもらえますから「是非、全国でもこのような取り組みが広まればいいな」と思いました。

 最後に私の心に一番残った詩を紹介します。
「人は皆、きっと誰かの大切な人。一人でも多くの人が犯罪被害の悲しみを知ることがありませんように」



会員の声
 愛知県「豊ケ丘学園」にて   一井 彩子(2008.4.4)

 2月12日愛知県にある少年院「豊ヶ丘学園」で講演を行いました。
 そこは短期の少年院で入院者が50人くらいの小規模な施設です。矯正教育の一環として年4回、被害者の講演を決めていて、少年たちは在園中に最低一度は話を聞くことになるそうです。

4日後に届いた感想の中で、ほとんどの少年が自分は犯罪者だとありました。そしてある少年はいくら未成年であっても悪いことをしたら大人と同じように扱われるべきで少年法は要らないとありました。

 園長さんがとても厳しい方で、犯した罪に向き合わせているのが感じられました。
ただ、1つ残念なのはこの園長さんはこの3月で定年退職されるそうです。

上に立つ人が代わっても厳しくそして愛情をもって教育を続けてほしいと願います。



会員の声
 「あすの会」との出会い   近藤さえ子(中野区議会議員)(2008.4.4)

 商社に勤務していた主人が、元の上司に会社の仕事上で恨まれ殺されてしまったのは、私が区議会議員としての活動を始めて1年半過ぎた時でした。

1ヶ月間、山中に埋められていた主人が、帰りを待ちわびる10歳と12歳(当時)の子どもの元に物言わぬ姿で帰って来たのは2004年のクリスマスイヴでした。

 夫を、父親を突然奪われる、それだけで、遺族は立ち直れない悲しみと苦しみを受けていましたが、マスコミの攻勢、警察への対応、葬儀と続き慟哭する間もありません。

守らねばならない子どもたちの生活、心労で入院してしまった高齢の母の見舞い、その厳しい日常生活の中で、死ぬはずのなかった40歳の人間をこの世から葬るための各種手続きをこなさなくてはなりませんでした。

会社の手続き、労災手続き、各種保険の手続き、銀行口座やクレジットカードの解約、資産譲渡の手続き、私にははじめてのことで、どれ一つとってもあまりに煩雑で、手間のかかるものでした。

仕事で毎日区役所にも通っていた私でさえ、「どこの窓口に行けばいいのか」「誰に相談すればいいのか」さっぱりわからず、役所の縦割りの所轄に翻弄され、泣きながら一つずつの事務を片付ける日々。

一方で、主犯と実行犯計6人の被告に対する刑事裁判が始まり、2006年5月まで続きました。

 そのどん底の日々の中で、私は「あすの会」と出会いました。そして、同じ思いをする犯罪被害者の多さに驚き、皆様に本当に励まされてきました。

「自分たちはひどい思いをしたが、次の被害者には同じ苦しみを与えてはいけない」という「あすの会」の精神に触れ、私も自分の立場でできることを常に考えてきました。

 自身の体験から、また他の被害者の方々の話から、私は自治体に、被害者救済の窓口を作る必要性を強く感じました。「ここに行けば何をすればよいのか教えてくれる」場所と人材が身近にあれば、悲しみと苦悩の中にあって時間に追われる被害者はどんなに救われることか。

私は2回にわたり区議会本会議の議会質問で「中野区に犯罪被害者支援窓口を。被害者の話を聞き、助力してくれるコーディネーターの存在を」と訴えました。

隣の杉並区ですでに稼働していた犯罪被害者支援窓口は大変参考になるものでした。

 中野区は昨年11月、「あすの会」のパネル展のために区役所のロビーを開放しました。多くの方々が関心を持って「あすの会」の活動の記録を見てくれました。

また、平成20年度予算に「犯罪被害者対策支援調整」として新たに248万円が計上されました。犯罪被害者等総合窓口を設置し、支援計画作成等を行うというものです。

少しずつの動きですが、これは大きな一歩です。

 私の質問で動いたと言うより、「あすの会」の努力で広がった犯罪被害者等の立場を理解しようという社会の動きに押されたものと考えますが、私は、今後中野区のこの施策がきちんと稼働するよう取組むと同時に、他の自治体にも被害者支援の輪が広がるよう、皆様とともに歩んでいきたいと思います。

閉じる