この数年で、刑事司法の改正など犯罪被害者のための制度が少しずつ整ってきたようです。ひとえに、心身を削るような被害者やそのご家族、ご遺族のご尽力の賜物です。
それにしても被害者の権利獲得・名誉回復のためにどれほど時間と労力を費やせばよいかという憤りと、これまで犯罪被害者側にはこんな小さな権利も支援も認められていなかったのかという驚きを感じます。
凶悪犯罪や動機の見えにくい殺人事件なども多く、「あすの会」の存在意義はこれからもますます大きくなるような気がいたします。
そのような中で、朝日新聞の法務大臣への中傷とも思える「死に神」表現には驚愕させられました。ニューズ・レター32号とともに報告された、「あすの会」と朝日新聞社とのやりとりは大変興味深く隅々まで読みました。
何度読んでも、鳩山法務大臣がGOサインを出したことが拙速であったかのような弁明にがっかりしてしまいました。職務に基づいて執行命令に署名した鳩山法務大臣を非難するのではなく、何故これまで多くの法務大臣が執行を先送りにしてきたのかを問題提起してほしいと思いました。
鳩山法務大臣の「ベルトコンベヤー・・・」発言の批判のつもりにせよ、裁判員制度導入に対する危惧だったにせよ、コラム「素粒子」は的外れな内容だったと思います。
ところで最近、『性暴力被害者支援看護職』なるものが日本にも存在することを知りました。カナダを中心に北米では一般的になりつつある専門職だそうです。日本での導入はまだ新しく『NPO法人 女性の安全と健康のための支援教育センター』で唯一研修が行われています。近い将来、受講してみたいと思います。
理不尽な犯罪が減ることと、万が一事件に巻き込まれてしまったら、せめて法的に充分な支援を受けられるような社会の実現を願って止みません。
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