TOPICS(ニューズ・レター)


会員の声
 時効廃止の訴えに向けて   後藤リウ(2009.2.16)

  平成17年2月14日の夜のことです。当時39歳の息子は信用金庫に勤務しておりました。残業を終えて同僚と2人で帰ろうと、ドアを開けたところで、息子は何者かに襲われ刺殺されました。

何が起きてこんな恐ろしいことになってしまったのか、何もわからぬまま3年11ヶ月の月日だけが虚しく過ぎてしまいました。

「受け入れることのできないわが子の死。他人に殺されて死んでしまった。愛おしみ大切に育ててきたかけがえのない尊い命をどこの誰かもわからぬ奴に一瞬にして奪われてしまった」

 この悔しさ、怒りをどこにぶつけたらよいというのでしょう。一生懸命がんばって生きてきた息子の心中を思うと、胸が張り裂ける思いがいたします。

「犯人は今どこでどう暮らしているのだろうか。他人の人生を根こそぎ倒して滅茶苦茶にして自首もせず、期限まで捕まることなく逃げ通せば、現在の法律では時効成立という無罪放免のご褒美をくれる。それを待っているのだろうか」

 人を殺した者に逃げ得は絶対に許すわけにはいきません。無念のうちに殺され死んでいった者には再び生きるということは絶対不可能なのです。

 いったい法律は誰のためにあるのでしょうか。法に携わる方々は、自分の愛する家族が被害にあったと今一度考えてみてください。そうしたら自ずと答えが出てくるように思います。

もっともっと生きたかった命です。生きられたはずの被害者の魂の叫びを受け止め、声なき声に耳を傾けて私は、「時効廃止の訴え」に向けて社会や国にお願いの声を出していきたいと思っています。

 これから、生きていくことができるのだろうかと思ったどん底のなか、「あすの会」と出会いました。会員の皆さんにはいつも元気をいただき、多くの皆様のお力添えのおかげで今があることに心より感謝申し上げます。



会員の声
 朝日新聞ジャーナリスト学校での新人教育講座にて   宮園誠也(2009.2.16)

 昨年6月18日、朝日新聞の夕刊「素粒子」の記事に端を発した朝日新聞社と「あすの会」の「死に神」論争が終止符を打った後、私に朝日ジャーナリスト学校から講演の依頼がありました。

 池袋通り魔事件で、被害者の尊厳と権利を無視した取材の非を私が朝日新聞の「声」欄に投稿した記事を、ジャーナリスト学校で教材として使っていると話されたので、それに関連してとのことと考えて引き受けました。

 昨年11月14日、朝日新聞本社内にあるジャーナリスト学校で、昨年入社の新人記者を前に、苦情、意見何を話しても良いと言われました。そこで私が普段思っている「朝日新聞は加害者よりである。偏向している」ということを話しました。

市川記者の記事や、数年前にあった大島令子元議員が死刑執行後の写真を森山法務大臣に見せて死刑反対を主張したという記事等を例に、報道は公平であるべきで、知る権利、報道の自由は被害者の尊厳と権利を尊重してこそ可能であり、人として常識とマナーを身につけて取材してほしい等と要望も伝え講演を終えました。

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