衣料品店を経営しているAさんは、店の品物を万引きされることがよくあります。
少年が万引きをして品物を家に持ち帰ると、それに気づいた母親は少年を連れ、品物をもってお詫びに来ます。
母親は、Aさんの前で少年を叱り、少年も涙を流して謝罪します。母親は、代金や賠償金を払って行きます。 万引少年は、一カ所だけでなく他の店でも万引きすることも多く、警察が万引少年を捕まえて家宅捜査すると、被害品が続々と発見されることがあるそうです。
ある日、警察官が品物を持ってAさんを訪ねてきました。万引き少年の自宅を捜索したとき、A衣料品店の商品が見つかったので、確認のためにやって来たのです。Aさんが自分の店の商品に間違いないといいますと、警察官は黙って被害品をおいて帰っていきました。
品物は、汚れてしまって売りものにはなりません。警察官は、少年の名前、住所、親の名前を一切教えてくれません。犯罪少年のプライバシーを守り、社会復帰させるための障害になるといけないというので、少年法が教えることを禁止しているのです。 母親が万引きを発見したときは、品物を持ってわびに来る、弁償もする。
警察官が発見したときは、少年も、親も詫びに来ない。弁償もしない。親の名前も、住所も分からないままです。
母親が発見したときと警察官が発見したときでは、こんなにも違うのです。
おかしいと思いませんか。
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