刑事の判決で、懲役1年執行猶予3年というような判決がでることはご存知でしょう。
執行猶予は再犯のおそれがない場合に付けられるもので、再び犯罪を犯すおそれのある者には付けてはいけないことになっているのです。
ところが、執行猶予中に犯罪を犯す者が相当おります。これは執行猶予を付けてはいけない者に執行猶予を付けたからで、「裁判過誤」というべきものです。医療過誤の場合は、病院はその事実と担当医師名を公表して責任を取ります。
ところが裁判過誤の場合は、裁判所はこれを公表せず、担当裁判官の名前も国民には知らされません。裁判官は何の責任も取らないのです。仮出獄という制度があります。懲役になった服役者に対して、刑期満了前に出獄させる制度です。殺人を犯して無期懲役になった者が、仮出獄して更に殺人を犯すような例がよく新聞に現れます。
仮出獄をさせるには、刑務所長が「この服役者は成績もよく再犯のおそれもないので、仮出獄させてください」という仮出獄申請書を書き、これを地方更正保護委員会が審査し、再犯の心配がないと判断して仮出獄となるのです。
従って仮出獄中に犯罪を犯す者がいたときは、仮出獄させるべきでない者を出獄させたことで、「出獄過誤」ということになりますが、この場合も刑務所長も担当した更正保護委員会の委員も名前は公表されず、誰も責任を取りません。更にいえば最初の殺人事件で死刑にしておけば、第二の殺人は起きなかったわけで、最初の裁判官にも責任があるというべきですが、この裁判官の名前も公表されません。
裁判官も刑務所長も地方更正保護委員会委員も、誰も責任を負わない。名前も公表されない。自分のやった「過誤」について知らん顔をしている。被害者だけが泣いている。
こんな無責任な刑事司法は、おかしいと思いませんか。
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