参考情報 (ニューズレター)
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あすの会の活動が教科書に取り上げられました
(2010.6.1)
 
本年度の高校の公民科用教科書
「高校生の新現代社会~共に生きる社会をめざして~」(帝国書院)

で、あすの会の活動が紹介されました。取り上げられているのは「第3章 現代の民主政治と民主社会の倫理 第2節 国民主権と政治参加」の中です。司法の役割と責任について述べられた項の「現代を見る」というコラムで、あすの会の設立から、街頭署名活動、犯罪被害者等基本法の成立、被害者参加制度や損害賠償命令制度について触れられています。
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『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』書評
これほどの苦しみのなかを生きてきた青年が与える勇気
(2008.11.11)
岡村 勳

 私が犯罪によって妻を失ったのは1997年10月、本村洋君が最愛の妻弥生さんと生後11カ月の夕夏ちゃんを失ったのが、1年半後の1999年の4月である。私は68歳、本村君が23歳のときだが、その精神状態は驚くほど似ていた。

 一家の主の最大の義務は、家族の安全を守ることである。しかしながら、私の妻は、仕事上で私を逆恨みしていた男に殺害された。私は、家族の安全を守ることができなかったばかりでなく、家族を犠牲にすることによって命が助かった。

自責の念に苦しみ、死を願い、妻の倒れていた場所で凍死を試みたこともあった。本村君も、家族を守れなかったことに苦しみ、死を覚悟して遺書まで書いていた。

 私が初めて本村君に会ったのは、1999年10月31日である。
 その日、私を含めた犯罪被害者5人が、私の事務所に集まった。本村君は、少年の面影がまだ残っていて見るのも痛々しい姿の青年だった。

 5人はそれぞれの悲痛な体験を語り合った。刑事裁判は加害者の権利は憲法や刑事訴訟法で十分に保障するが、犯罪被害者の権利は何一つ認めていない。犯罪被害者は、身体的、精神的、経済的に一生立ち上がれないくらいの被害を受けながら、どこからの支援もない。

 これは、世間の人が犯罪被害者の悲惨な実情を知らないからだ。たまに被害者が訴えても、「自分にも落ち度があったんじゃあないの」と好奇と偏見の眼差しが返ってくる。だが、犯罪被害者が訴えない限り、世間に実情は伝わらない。勇気を出して社会に訴えよう、そのためのシンポジウムを開こうということになった。

 その日、本村君は、被害者の情報はこまかく報道されるのに、加害少年の情報は少年法によって保護されている、と涙を流して悔しがった。「それは法律が間違っている。法律を変えなければならない」と私は断固として言った。

私自身、この言葉が、暗闇のなかにいた本村君に光を与えたことを、本書『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』によって初めて知った。

 2000年1月23日、シンポジウム「犯罪被害者は訴える」を開催し、犯罪被害者の会(後に全国犯罪被害者の会「あすの会」と改称)を結成した。このときの状況は、本書に詳しく書かれている。

全国犯罪被害者の会は、犯罪被害者の権利と被害回復制度を求めて活動を続けたが、本村君は幹事の一人として、全国を講演して回り、体験と被害者の実情を語り、多くの人々の心を掴んだ。

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法律トピックス
「犯給法」から「犯罪被害者支援法」へ
(2008.11.11)

 従前の「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」(略称「犯給法」)という名称は、犯罪被害者等給付金(以下「給付金」)が恩恵的なものであるとの誤解を与えるという指摘があり、犯罪被害者等を支援するという給付金の目的を明確にするため、「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」(略称「犯罪被害者支援法」)に改称されました。


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チャリティーイベント
FIT for charity run 2008
(2008.11.11)

 東京にある外資系金融法人の有志が集まり、2005年よりマラソン大会をチャリティーイベントとして行っています。

本年は11月24日(月)に神宮外苑周辺で行います。参加者は参加費を払い、企業もスポンサーとなって寄付金を供出します。

これらの参加費・企業からのスポンサー等で集めた寄付金は大会運営の実費を控除し、参加企業が推薦する非営利団体の中から選ばれた候補(約10団体)に贈呈される仕組みになっております。

本年は「全国犯罪被害者の会(あすの会)」もその候補として選ばれました。


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出久根達郎が読む(熊本日日新聞 5月11日)
「犯罪被害者の声が聞こえますか」東大作著
理不尽さ分かる裁判員に

(2008.7.30)

 来年5月から、いよいよ裁判員制度が施行される。裁判に関心がない者でも、指名されたら特別な理由を持たない限り拒否できない。

果して法律問題にまったく暗い自分に適切な発言ができるかどうか。何より、あの独特のややこしい法律用語が正しく理解できるだろうか。

 いや、そんなことより、裁判所には何を着ていけばよいのか。背広にネクタイでないとまずいのか。ネクタイの色は? ヒゲはだめだろうか? マスクは、どうか。

私は蓄膿症だから、鼻から「涙」が出る。これを拭うにも許可がいるのかしらん。びろうな話だが、私は緊張するとオシッコが近い。我慢できない場合は、どうすればよいのか。

 大体、「強制兵役」のような裁判制度は、国民にどんなメリットがあるのだろう?何のために参加しなければならないのか。

 わからないことが多くて、不安になる。そこで、このところ裁判に関する本を読んでいる。本書もその1冊。いかに自分が裁判に無知であったか、思い知らされている。

 要するに、ひとごとだったのだ。自分が裁判に関与するなんて、さらさら考えない。犯罪者になるはずがないし、犯罪の被害者は想定したこともない。新聞やテレビのニュースも、あくまで他人の出来事と見ている。

 1つは次から次へと新しい事件がおきるため、考えるいとまがない。報道のスペースにも限りがある。特別な事件でもなければ、裁判の内容を詳細に伝えてくれない。

 見知らぬ男性に、ある日、突然、ガソリンをかけられ、ライターで火をつけられた二十二歳の女性は体の九割を焼かれ、やがて意識を失った。かろうじて命を取り留めたが、意識を回復する間に、加害者は事実をおおい隠そうとしていた。

被害者の女性は救急車に乗せられる直前、加害者が耳元でささやいた言葉を忘れない。「タバコの火が誤ってついたと言ってくれ。刑務所に入りたくないから」

 自分がこのまま死んだら証言できなくなる。救急車に入ると、加害者が泣きながら、「大丈夫か。大丈夫か」と言っている。こうやって罪を逃れるつもりなんだ、何としても死んではならない。女性は薄れる意識の中で、反論しようとするが、声が出ない。

 この女性の場合、もし私が裁判員なら、加害者を当然「殺人未遂」罪で求刑するだろう。ところが実際の裁判では「傷害罪」で懲役六年である。しかも治療費も払ってもらえない。

自分に何ひとつ落ち度がないのに、縁もゆかりもない男に一生を台なしにされ、それで刑事裁判にも参加できない。「日本の刑事裁判が『公の秩序を維持するためのものであり、被害者のためにあるのではない』」からである。

 こんな理不尽な話があるだろうか。加害者には国費で弁護士がつくのに、費用のない被害者は泣き寝入りするしかない。

 弁護士は双方の言い分を聞く立場にいるが実像を案外に見ていない。そう気がついた弁護士がいる。岡村勲さんである。岡村さんが気がついたのは、ご自分が被害者になったためである。

 平成九年、自宅に侵入した男に妻を殺された。岡村さんは妻の遺影を持って裁判を傍聴したいと願った。しかし、「物を持ち込んではならぬ」と断られた。刃物ではない。妻の写真である。更に、公判記録の開示も拒否された。

加害者は自由に見ることができるのに、被害者は許されない。岡村さんは現行の裁判制度はおかしい、と思い、「全国犯罪被害者の会」を2000年1月に立ち上げた。そして苦闘の末に「犯罪被害者等基本法」を成立させる。

更に刑事裁判への参加と刑事裁判を利用して損害賠償の請求ができる制度の「被害者刑訴法」が昨年、参議院で可決された。

 本書を読んで思うことは、自分が被害者だったらどうだろうか。想像し、想定できることが、裁判員の「資格」かもしれない。(新潮文庫・700円)


でくね・たつろう 1944年茨城県生まれ。作家。古書店主。93年「佃島ふたり書房」で直木賞受賞。

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犯罪被害救援基金のお知らせ
(2005.3.20)

財団法人犯罪被害救援基金が、犯罪被害に遭われた方のご家族やご遺族へ、奨学金の給付をおこなっています。小学生から大学生までの学生、生徒および児童が対象となります。関心のある方は、各警察署へお問い合わせください。

奨学金の給与月額
小学生 9,000円
中学生 9,000円
高校生 国公立 15,000円
私 立 23,000円
大学生 国公立 23,000円
私 立 29,000円

(注)奨学金は貸与ではなく給与ですので、返済する必要はありません。


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懸賞金による犯人捜査
(2004.2.25)

最近、犯人がわからないとき、懸賞金を出して情報を集めることが行われています。
その一例を報告します。
平成13年4月22日未明、2人組の男が、その日結納のためにその地を訪れていたAさんの肩が触れたことに腹を立て、殴る蹴るの暴行を加えました。Aさんは2日後に、病院にて亡くなりました。

Aさんの父親は、以前耳にしていた懸賞金による犯人の情報提供の話しを思い出し、結婚資金のために蓄えた300万円を懸賞金に当てることにして警察を訪れました。警察の指導により懸賞金を支払う件に関して、後日のもめごとを防ぎその公正を期するため、懸賞金を受け取れない人の条件(例えば、公序良俗に反する組織・団体の構成員である時や警察関係者もしくはその家族である時他2条件)や、受け取り対象者が複数の場合の提供方法、そして懸賞金提供の実施期間等の規約を書面にて作成しました。

そして情報の受付け窓口は所轄署の刑事課としました。事件の担当者は、ビラの数、実際に配布する場所、協力者また日にちなどのほか、看板を設置する場所の相談にも乗ってくれました。実際、ビラ配りのための道路使用許可を取ってくれたり、パチンコ屋さんにポスターを貼るのを頼んでくれたりもしました。

そして、初めてのビラ配りは6月9日の挙式予定日に行い、平成13年12月末に寄せられた120件目の情報が犯人割り出しの決め手となり、平成14年2月18日に逮捕されました。

懸賞金捜査は、警察の協力がないとできませんから、ご希望の方は、警察に相談して下さい。

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