2008.11.30
代表幹事 岡 村 勲
2000年1月23日、犯罪被害者の権利と被害回復制度の確立を求めて、当会を設立してから、やがて9年を迎えようとしています。第3回犯罪被害者週間に合わせて、本日第9回大会を迎えることになりました。
本日は、鳩山総務大臣(元法務大臣)に、政務御多端の中ご出席を頂きましたことを心から感謝申し上げます。
この9年間で、犯罪被害者の権利は大きく向上し、国家、国民の犯罪被害者に対する理解は、前進しました。
犯罪被害者保護2法は、当会設立以前から準備されていましたが、それ以後の立法、犯罪被害者等基本法、同基本計画、被害者参加、損害賠償命令、少年法の改正、国費による懸賞金制度、犯罪被害者週間、訴状に於ける原告の住所不記載、犯罪被害者給付金の増額、被害者国選弁護士制度などは、当会が積極的に取り組んできたものであります。
いよいよ明日12月1日から、当会が最も力を入れて取り組んできた、被害者参加と損害賠償命令制度が実施されます。
加害者と被害者が同等の権利を持って法廷で対峙するという、当会の主張からは、大きく後退しています。
被害者の参加は、被害者の尊厳、人格を守る上で欠かせないものです。それが実現しなかったことは残念であり、これからもこの運動を続けていかなければなりません。
しかし、長期にわたって続いてきた刑事司法制度を、一挙に根底から改正することは、困難なことであり、今回の改正は、現段階ではやむを得なかったと思います。それでも被害者の参加は、画期的なことであり、まずは、この制度をしっかりと定着させることが、大切であります。
ところで、明日から始まる被害者参加は、運動をした私たちには、まったく無縁の法律であります。
犯給金について言えば、7月1日以降の被害者からであり、被害者参加と損害賠償命令制度については、明日以降起訴された事件の被害者から利用できる制度であります。
自分たちには、何らの利益にならない制度の実現のために、私たちは2度にわたって外国を実地調査し、全国的な署名活動を行い、国会陳情を行い、渾身の力を尽くしてまいりました。
私たちの味わった苦しみを、これから生まれる被害者に味合わせたくない、被害者の尊厳、人格を重んじない制度を存置することは許されないという、私たちの一念からこの運動を続けてきたもので、それだけに国民の共感を得たものと存じます。
共に闘ってくださった被害者の方々に、心から感謝と尊敬の念を捧げるものであります。
本日の模擬裁判劇は、脚本、演出、出演者すべて弁護士の手によるものであります。至らない点は、あるかも知れませんが、仕事が終わってから、深夜まで集まって準備したこの模擬裁判劇は、被害者参加制度のご理解に役立つものと存じます。
被害者関係の多くのシンポジウムや、大会と比べて、印刷物も質素で不十分でありますが、できるだけ経費をかけないよう、運動してきた会であることでご了解を得たいと思います。
お手元のQ&Aも、安い印刷屋に頼んだために、おかしな形式になっていますが、内容は間違いないと存じます。
終わりになりましたが、この運動を終始大所高所からご指導くださった_澤先生、弁護団の先生、犯罪被害者支援フォーラムの方々、報道機関の方々、ボランティアの方々に心からお礼申し上げます。
また、この会場は、三井不動産株式会社のご好意により、無償でお貸しいただき、休日にもかかわらず大勢の方々がご協力くださっております。感謝申し上げます。
有難うございました。
以 上
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